国際結婚して1995年から東南アジアのマレーシアに住んでいます。



25年前マレーシアへ嫁ぐといったら「大変ね~」といわれました。それがここ10年でマレーシアに住んでいる→「いいわね~」に変わりました!
マレーシアは2002年に長期滞在ビザができ2009年に現在のMM2Hビザになってからマレーシアへロングステイする人が急増し、日本人のマレーシアに対する印象が大きく変わりました。
マレーシア移住で多くの日本人を見かけるようになり、ここ数年は子供の教育のため親子留学の若いご家族も増えています。
マレーシアの基本情報は別ページで説明しています。
【マレーシア観光】ペナン島在住歴25年が基本情報から観光スポットまで徹底解説!
ここでは実際に住むための情報をお届けします。
マレーシアが生活しやすい理由5つ
マレーシアはロングステイ財団が毎年実施するロングステイ希望国で13年連続1位となるほど移住に人気の国です。
マレーシアには観光名所もたくあんりますが、私はマレーシアの魅力は観光より長く住んでより感じられると思います。メディアで物価が安く治安が良いとたくさん報道されていますが、それだけではない私が思うマレーシアの魅力、生活しやすい理由をご紹介します。



ただもちろん誰もが住みやすいわけではなく、同じ状況でも住みやすいと感じる人も失敗だったと後悔する人もいます。
自分にとってマレーシアが合うか合わないかは自分の目で見て体験して下さい。
人が親切
マレーシアは多民族国家でマレー系、中華系、インド系が住んでいるため異文化同士で共存するのに慣れています。そのため外からの人をすんなり受け入れてくれます。日本人だから、英語ができないからという疎外感を感じることはなく、みんな温かく接してくれます。
よく日本は集団主義で海外は個人主義といわれます。
そんな集団主義といわれる日本に一時帰国したとき、お互いあまりにも無関心なのに驚きました。電車の中でもバスの中でもみんな携帯を見て他人は目に入らないようなのです。困っていても声をかけてくれる人はほとんどいなく、日本の集団主義は村意識として自分と関係のある人、知り合いの人という条件での集団主義なのかなと強く感じました。
一方個人主義のマレーシアはみんな自分の事を最優先に考えます。
これは自分本位や我儘というわけではなく、個性を大切にそれぞれの良さを認めているように思います。決して他の人はどうでもよくて自分の好き勝手をしているわけではありません。よく隣近所からおすそ分けをもらいます。でももらったから返さないといけないということはありませんし相手もそんなことは期待していません。
自分があげたいからあげる。それがマレーシアです。
またマレーシアで子育てしていると知らない人から声をかけられることがよくあります。
レストランで子供が大泣きした時も「なに泣いてるの?困った子ね。」と笑いながらあやしてくれました。「うるさいなぁ」と聞こえよがしに文句言ってくる人はいません。
マレーシアの生活が居心地よく感じるのは、好きにさせてくれるけどちゃんと周りが見守っていてくれると感じるからだと思います。
マレーシアの人は自己肯定感がとても強く、自分は間違っていないと考える人が本当に多いです。どんな立場でも自分が正しいと思うことをガンガンぶつけてきます。謙遜の文化も日本らしくていいと思いますが、マレーシアの人と接していると自分の信じていることは言わないといけないんだ、自分の長所はこれなんだと考えることが多くなりどんどん自分が好きになります。
そして他人を気にしない個人主義なので人の目を気にしなくていいのが住みやすい、生活しやすい大きな理由だと思います。
物価はまだ安い
数年前テレビや雑誌で盛んに伝えられていた安い物価ですが、年々上昇し以前ほどのお得感がなくなったといわれています。
しかし現地に根付いた生活をしていれば、まだ日本よりずっと安く生活できるのは間違いありません。
日本人がペナン島で楽しく現地に根付いた生活ができるギリギリの1か月の生活費は一人当たりこれぐらいというリストです。
家賃 | RM1,800 |
水道・光熱費 | RM250 |
食費 | RM1,000 |
インターネット・通信費用 | RM160 |
交通費 | RM150 |
合計 | RM3,360 |
合計日本円 | 87,360円 (RM1=26円計算) |
生活費で一番抑えられるのが家賃です。
コンドミニアムは安ければRM1,000以下でもありますが、外国人はセキュリティが付いて周りが安全な場所を選びたいし、せっかく日本を飛び出してマレーシアへ来るのですから楽しく生活するためにプールなどの設備が付いた場所になるとRM1,800ほどみた方がいいと思います。
また食費は毎食屋台のローカル食で問題なければ1食RM5ですますこともできます。これなら朝食は家で食べたとしても1日RM10x30日=RM300ですね。



ただ日本人がずっと屋台のローカル食で我慢できるとは思えません。
現地に馴染んだ私でも日本食が食べたくなるし、たまには美味しいレストランの食事を楽しみたいです。
せっかくマレーシアに住むのですから日本より余裕を持った生活感を味わうためにも、食費は絞り過ぎない方がいいと感じます。それでも夫婦や家族の場合家賃やインターネットなどは人数割りできますし、水道・光熱費や交通費も割安になることを考えると日本の生活費より安く、贅沢を感じられる生活ができるのではないでしょうか。
常夏の気候が体にいい
マレーシアは赤道に近く常夏で、年間の平均気温は日中で30度前後、朝夕は25度前後です。雨季と呼ばれる時期もありますが夕方にスコールが降ったりするだけで日本の梅雨のように一日中雨が降り続く日はほとんどありません。
「季節の変わり目に膝が痛くなる」
「冬の寒さが体にこたえる」
こういう心配はマレーシアでは全くありません。
自然災害がほとんどない
マレーシアは地震、台風、噴火などの自然災害がほとんどありません。
私が25年住んでいる間に地震は2004年にインドネシアのスマトラ島沖地震のときに軽い揺れを感じたのみです。台風はありませんが台風並みの暴風雨は年に1,2度やってきます。これは木々が倒れたり、洪水になることもあります。洪水がマレーシアで一番深刻な自然災害といえますね。
またマレーシアに活火山はひとつしかなくこちらはインドネシアの国境付近にあります。ほとんどの人は火山の噴火とは関係のない生活を送っています。
英語が公用語
多民族国家のマレーシアは複数言語が使われています。公用語はマレー語ですが、共通語として英語が広く使われ英語教育も盛んで都市部ではほとんどの人が英語を話します。そのため共通語として英語が広く使われています。都市部だとほとんどの人が英語を話します。
ただマレーシアの英語には独特のアクセントや文法があります。これをマングリッシュといって笑う人もいますがマレーシアの英語のレベルはアジアでもかなり高いんです。
英語能力のベンチマークである「EF EPI英語能力指数(EF English Proficiency Index) 2019年版」で世界100ヵ国中日本は53位の低い英語能力であったのに対し、マレーシアは26位で高い英語能力と発表されています。
参考資料:EF EPI 英語能力指数
また世界レベルの英語の資格のTOEFLの結果をみて下さい。
TOEFLの結果:https://www.ets.org/s/toefl/pdf/toefl_tsds_data.pdf
2018年TOEFLの結果比較
結果 | 順位(アジア29ヵ国中) | |
日本 | 平均71点 | 28位 |
マレーシア | 平均90点 | 4位 |
訛りがあっても英語のレベルはかなり高いです。
そしてマングリッシュで育ったうちの子も英語圏のオーストラリアへ留学やワーキングホリデーに行き全く問題なく生活しています。



近年は英語留学を目的として移住してくる家族や、親子留学が大人気です。
マレーシア長期滞在ビザ(MM2H)
マレーシアが海外移住に人気となった大きな理由は外国人が住むための長期滞在ビザ(MM2Hビザ)ができたからです。MM2Hビザの正式名称は(マレーシア マイ セカンド ホーム)です。
MM2Hビザを取得すると10年間マレーシアに住むことができ、10年後には更新も可能です。原則MM2Hビザはマレーシアで仕事をすることはできませんが、子供を連れて現地の幼稚園やインターナショナルスクールなどへ入れることができます。
海外で子育てするには国際結婚する、駐在で派遣される、またはその国の永住権を取るなどですが、永住権を取ろうと思うとその国で数億円の投資をしないといけません。MM2Hのように10年住めるビザが取得できる国は珍しいといえます。
もちろんMM2Hビザを取るにも条件があります。
MM2Hビザの条件や手続きの流れはこちらのページで詳しく説明しています。
【長期滞在ビザ】マレーシアのMM2H(マレーシア・マイ・セカンドホーム)
*残念ながら2020年7月からMM2Hビザの新規申請はストップしていて、再開日は未定です。
海外で子育てをおすすめする理由3つ
私が海外で子供を育てて良かったなと思う事はこの3つです。
- 英語を自然に覚えた
- 自分に自信を持っている
- いろいろな価値観を受け入れられる
その理由はこちらです。
子供は英語が自然に身に付く
英語が自然に身に付くのは子供期だけです。日本語と英語には大きな言語差があり、母音の数の違い、周波数の違い、アクセントの違いなどがあげられます。生後間もなくから親が積極的に英語教育を取り入れることで、子供の脳は自然に英語も自分の言語内として身に付けることができます。
幼児期から英語を聞いていれば英語の音を聞き取れる耳ができます。この英語の音を聞き取る耳ができるのは12歳までともいわれています。そのため12歳までにたくさんの英語を聞いていると自然に綺麗な発音の英語が話せるようになるんだそうです。日本でも家庭で徹底的に英語の音を聞く環境を作ってあげるといいのですが、よほど親が努力しないと難しいですね。
でも海外で地元の学校やインターナショナルスクールに入れると必然的に英語の生活になります。子供は学校の言葉に一番影響を受けるといわれます。英語の学校へ入れると親が家庭で必死に英語環境を作らなくても自然と英語が身に付くのがいいですね。
自分に自信のある子になる
日本人は自分の事や自分に付属する人の事を謙遜することがとても多いです。周りと調和しながら生活している日本では自分を謙遜することで相手を立てているのかもしれません。周りと上手くやっていくための謙遜の文化は悪いことではありませんが、謙遜ばかりしていると本当に自分に自信が持てなくなってしまいます。
人は自分が口に出したことが潜在意識として残るといわれいます。「私には無理です」と繰り返していると自分には本当に無理だという気になるし、「私は出来ます」といっていると実際できる可能性が高くなるという事です。



マレーシアに長年住んで思う事は海外で謙遜は通じません。
本当はできるのに「私には無理かもしれませんが、やってみます。」というと「あっ無理かもしれないの?じゃあ他の人に頼むわ」となります。欧米や欧州だけでなく、東南アジアもみんな自分にすごく自信を持っています。日本には日本の良さがありますが、これからのグローバル世界で戦っていくためには自分に自信を付けてそれをしっかりアピールできる事が大切だと感じます。
価値観の違いが受け入れられる
日本の独特の価値観は下記のようなことがあげられます。
- 相手を思いやる精神
- 恥の文化
- こだわりの文化
集団主義の日本では常に周りの事を気にしながら生活しています。自分も我慢するからみんなも我慢しましょうというのが日本人の考え方のような気がします。
しかし海外では個人主義の人が多く、周りをあまり気にしません。周りがどう思おうと自分がしたい事が最優先されます。日本人はそういう価値観を受け入れられず海外に来ると「信じられない!」と思うことがたくさん出てきます。しかし周りを気にしすぎることで自分の思ったことが言えなかったり、他の人と違う事をすると受け入れられなかったりという事があります。
また日本製品や日本サービスが海外で高い評価を受けてきたように、日本人のこだわりも大きな特徴ですが、最近はスピードが求められるようになりました。



日本人のこだわりが世界の競争力についていけなくなってきているように感じます。
日本の価値観だけではこれからの世の中から置いて行かれるのではと心配になります。海外に出るといろいろな価値観を学びます。特にマレーシアは多民族国家のため民族で違う価値観をもっています。海外で生活すると世の中にはいろいろな価値観があるんだという事が分かり、自分と違う価値観を受け入れることができるようになると思うのです。



私はこれが海外で育児する一番大きなメリットだと思います。
大人になってから価値観の違いを受け入れるのは結構大変です。私もマレーシアに来た当初は全く受け入れられず主人に愚痴ってばかりいました…
マレーシアの教育について
マレーシア移住して子育てする場合選択肢がたくさんあります。
保育園や幼稚園なら英語系、中国語系、マレー語系、タミール語系などから選ぶことができます。方針もさまざまでシュタイナーシステムを取り入れているところは体を動かしながら学ぶ感じですし、ガリガリ勉強させる幼稚園もあります。小学校もそれぞれの言語の学校がありますが、海外移住して入る場合はインターナショナルスクールになりますね。
マレーシアにはたくさんのインターナショナルスクールがあり料金が英語圏と比べて格安です。学校にもよりますが、平均日本のインターナショナルスクールの半額ぐらいで入れるといわれています。マレーシアはイギリス領なのでイギリス系のインターナショナルスクールが多くそんな学校ではイギリスの義務教育卒業資格を取るためのGCSE(IGCSE)を勉強します。
大学進学ではツインプログラムという英語圏の大学と提携したプログラムがあります。生活費の安いマレーシアで数年勉強して、最後の1年だけイギリスやオーストラリアの大学へ行くというプログラムです。このツインプログラムを使うと授業料や生活費はかなり節約できると思います。
マレーシアで勉強するメリットはこちらの記事で詳しく書きました。
【マレーシア歴25年】わが子の経験からマレーシア留学をおすすめする
うちの3人の子供たちは小学校は地元の中華系小学校ですがその後全く違う学校に入りました。
それぞれの詳しい経緯については別ページで紹介しています。
- 長女:中学は中華系→高校はインターナショナルスクール→大学準備と大学はオーストラリア
【【マレーシア育ちの長女】インターナショナルスクールからオーストラリアへ - 長男:中高一貫制の中華系学校→ワーホリ→クアラルンプールの大学
【マレーシア子育て】 長男は英語と中国語そしてワーホリで日本語を! - 次女:中学から通いのホームスクール
【ホームスクールとは】マレーシアで次女が通うホームスクールメリット・デメリットは?
海外で子育てのデメリットとは
ただし海外で子育てすることはメリットばかりではないので、私が海外で子育てしてデメリットに感じたことも紹介しておきます。
日本語が完璧に話せない
うちの子は日本語が完璧ではありません。子供によって差があるのですが、残念ながらうちの3児に日本語ネイティブはいません。でもこれは私が「これからの時代は英語と中国語だ!」と思っていたからで、海外でも親が100%日本語を使いお子さんが綺麗な日本語を話せる家庭もあります。
日本語は完璧にと考えるのであれば家庭でしっかり日本語環境を作ってあげて下さい。
海外でできる日本語学習はこちらの記事でご紹介しました。
【海外で子育て】家庭でしっかり日本語サポート!おすすめはオンライン学習
日本人社会に入れない
海外で育つといろいろな価値観を受けいれるというお話をしましたが、その分日本独特の価値観とは違う部分が出てきてしまいます。単一民族で一言語一文化の日本は少しでも周りと違うことをすると叩かれることがよくあります。そのため海外で育ち、英語が話せて自己主張が強い人は日本の社会に入れないかもしれません。
海外で子育てするなら自分に自信を持って、他の人が何をいってきても気にしない強い意志を持った子に育てる必要がありますね。
そのほかにも日本の家族に会えない寂しさや、海外で孤独を感じることもたくさんあると思います。それでも海外で子育てしたいと思うなら後悔のないよう行動して下さい。



寂しくて泣いたこともたくさんあったけど、今はマレーシアで子育てできたことを心から良かったと思います。
【マレーシア移住】親子留学もおすすめ生活しやすい理由やビザ、教育についてのまとめ
マレーシアについて現地で実際に住んでいる経験から情報をお届けしました。
マレーシアへ移住をおすすめするポイントをまとめるとこちらです。
- 長期滞在ビザが取りやすい
- 親日家で生活がしやすい
- 英語の教育が充実している
マレーシア移住を考えているならぜひ前向きに検討して下さい。定年退職してからマレーシアでのんびり生活されている方はみなさん本当に元気で、80代で週に4,5回テニスやゴルフに行かれています気候の安定しているマレーシアは体によく、また日本のように隣近所に気を使いながら生活しなくてもいいのはストレスフリーなのでしょうか。
また親子留学で移住する場合は子供教育が一番のポイントになるでしょう。マレーシアの教育が全ての子供に合うとは限りません。親の気持ちだけを押し付けず、子供が辛そうだったらすぐに帰国するぐらいのつもりでまずはホリデースクールの短期から始めてみてもいいかもしれませんね。